almost everyday.

its a matter of taste, yeah

PLAY 25年分のラストシーン

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  • チネでPLAY 25年分のラストシーン。まず、80年生まれの主人公が四半世紀にわたり撮影し続けた膨大な映像をもとに映画をつくる…というコンセプトがめちゃくちゃ巧く機能していると感じました。初めてカメラを手にしたその日のワクワク感や慣れない手つきのブレブレ具合、自分の手で撮ってみたかったに違いない早変わりやなんちゃってホラー。いつも傍にいる家族や友達のリラックスした笑顔もあいまって、何だかとても親密な時間を共有させてもらっているような気がしてきます。98年のW杯や00年の幕開けといった時代の変わり目もばっちりハマってて、ほぼ同世代としては懐かしさと恥ずかしさが波状攻撃よろしく迫ってくるもんで感情がものすごく忙しい。いろんなことを数珠つなぎに思い出してしまう。
  • 演者は10代20代30代とキービジュアル通りに移り変わっていくのだけれど、よく似た顔ぶれをうまく揃えたな〜と感心しました。そして、20代のヒロインがそれはもうめちゃくちゃ可愛いんですよね。それっていうのは造形がどうこういうんじゃなく、主人公と惹かれ合う高揚感やすれ違うもどかしさがカメラを通じて伝わるようにきっちり演出されてるからだと思うんです。巧いなあ。全編通して不自然さをあまり感じさせない、つまり「ホームカメラでそんなん撮る?普通」ってところがないのが逆にめちゃくちゃ大変だったろうな、なんてことを考えました。説明的な画を極力排して、つど異なる撮影者の主観を頼りに一本の映画としてまとめ上げるのは至難の技ではなかろうかと。
  • そういうわけで、コンセプトや撮影手法に関しては素直に感心することしきりだったんですけど、物語の主題たる恋模様に関してはベタでありがちで大したひねりもなかったなあ、という消化不良感が否めませんでした。恋愛関係において優位に立つこと、つまり惚れられるポジションに身を置きたがるそのプライドってやつは、そんなにまでして後生大事にするほどのもんかね?何がなんでも相手に告らせたいんか?ああん?好きならそう言え、自分から行けやあああああ!どっちも!お前らどっちも面倒くせえ!ついでにその後があっさりしすぎ!サクッとまとまりすぎ!もっと引っ張れ、15年もかかったんならもうちょい紆余曲折っぽさ出しとけよおおおお〜って話なのです。そこも含めて撮影者の主観、つまりは照れ隠しってことなんでしょうか。なら仕方ないか。
  • ストリートフェスのワンダーウォールメドレーはレゲエ風とかいろいろあって楽しかったですね。ホームパーティーに苦情を告げに来たポリスが速引きテク&デス声を披露するシーンもお国柄感(なのか?)があって良かった。ウィーザー はもうちょっと長く聴きたかったです。懐か死ぬってこういうときに使う言葉なんだろうな…と実感しました。その後の話はまた後で。