almost everyday.

its a matter of taste, yeah

バルド、偽りの記録と一握りの真実

  • 午後、チネでバルド、偽りの記録と一握りの真実。160分と長尺ながら、キレキレに映えるショットとヌメヌメ動く長回しに見とれてたらもう上映時間があっという間でした。長回しに関してはどうしたってバードマンを思い出さずにはいられないし、自分の立ち位置すら見失いかねない縦横無尽ぶりに磨きがかかったように思われるのだけど、ここぞの場面で強烈に印象的な一枚絵を見せつけてくる緩急の妙にやられ通しだった…と終映後どっと力が抜けました。
  • 気楽なノリで観ようとしても目が離せないというか惹き込まれるというか、観客に集中力を強いるタイプの作品であると同時にメキシコ史や政治問題への理解度も問われるやつですねこれは。作品の至るところに散りばめられているであろうメタファーの数々、きっと半分も理解できてないんだろうなと思いました。その辺り、ファンタジック要素を分かりやすくややグロテスクかつ露悪的に描いてるあたりが海外向けサービスなんでしょうか。それとも単に客としてナメられてるってこと?判断つかず。
  • 真実がいつもひとつとは限らないし時に偽りと地続きだったりもするし、時と場合によっては自分の中でさえ結論が裏返ったり白黒つけられなかったりするんだよな、ってことをぼんやり考えながら目の前の映像に釘づけになってました。ただ、予告編をあれほどまでに印象的なものにしていたあの曲がとうとう最後まで流れずじまいだったのには裏切られた気分…ってか詐欺でしょこれ?その後の話はまた後で。