- 長町でエンドロールのつづき。インドの子どもを追う映画は概ね名作*1という経験則に従い、一切の事前情報を絶って臨みました。名だたる名匠・名優たちへの畏敬の念に溢れてたってか、終盤ほとんどラブレターみたいだった。
- 主人公視点で見ると身近な大人たちへの眼差しがめちゃくちゃシビアで現実的だったし、2020年代を生きる大人としては「ほんの10年ちょっと前までフィルムがバリバリ現役だったんだ…!?」という驚きがデカかったし「チャイよりお母さんの弁当売ったほうがよっぽど儲かるんじゃね?」と首を傾げたくなるほどにはナスもオクラもめちゃ美味しそうでした。これは是非とも、各国に出店してるインド料理店と大使館がタッグを組んでイベント打つべき。あのお弁当を日替わりで売ってくれたら通いたいっス、いや本当に。
- 子どものやらかしをやんちゃやいたずらで済ませることなくキッチリ自分でケツ拭かせたのも、そこにまつわる戒めっぽいあれこれにまつわる描写をごく穏当にとどめた辺りも、劇中のいかにもインド映画っぽくあからさまな感じを排して世界基準に寄せてきてんな〜と感心したし、そのあり方が旧い映画まわりのノスタルジーをより際立たせていると感じました。映写機に唇を寄せた瞬間のあの蕩けるような笑みはまさしく恋そのものだった。スクリーンへと一直線に伸びる光を追う手のひらと、走り去る電車へと向けた鏡のきらめきが美しかったです。その後の話はまた後で。
*1:例:スラムドッグ$ミリオネア、ライオン、バジュランギおじさん