almost everyday.

its a matter of taste, yeah

セールス・ガールの考現学

  • チネでセールス・ガールの考現学。厚ぼったいセーターとレギンスで身体の線をすっぽり覆った女子大学生がゴージャスなマダムとの交流を経て春の訪れとともに蝶へと羽化するみたいなお話でした。登場するアダルトグッズはどれもこれもあられもなく猥雑なのに、主人公の照れも媚びも背伸びもしない佇まいのおかげでドタバタ劇に堕することなく落ち着いて観ていられます。冒頭のバナナをはじめバスの車内や雪の中の後ろ姿など「そこ、そんなに尺いります?」と訊いてみたくなる長回しが多いけど、それがむしろクセになってくる作風。2時間超えにもかかわらず目を惹きつけて離さない謎の間合いとそろそろ引いてくカメラワークが印象に残りました。
  • 劇中、ちょいちょい唐突にカットインして歌いはじめるミュージシャンが誰かに似ていてずっと脳裏に引っかかってたんですけど、エンドロールで髪を後ろに束ねた姿を目の当たりにしてようやく合点がいきました。会長じゃん。眼光の鋭さといい髪型といい、これはモンゴルの大澤会長!あーすっきりした。それとは全く関係ないけど、ヒロインが髪を切っておでこ出した途端ぼる塾の酒寄さんに見えてめちゃくちゃびっくりしました。メイクや服装だけでなく、身体つきや身のこなしまでみるみる変わってったのが素敵。
  • マダムの見てくれや人となりは特に目新しくもないし、主人公に目をかけた動機や去り際のあれこれも全部すっ飛ばしてご想像にお任せします的な大らかさ≠雑さをも感じたけれど、弱みや脆さも抱えたままで「これが私よ」と開き直れる人生の先輩を見つけることはきっと幸運なのだろうと思います。
  • それからええと、主人公言うところの「現実」を体現する存在としてのママは作劇上必要だったに違いないけど、娘に愛情を注ぐ姿とコミカルな画が混在してキャラがとっ散らかってた感が否めず、いっそ姿を見せないほうが物語としてはすっきり収まったんじゃないかと思いました。年相応にチャラくて善良で頭からっぽな同級生男子との距離感が穏やかにして唐突なのがよかったです。あんなのドキドキしちゃう。
  • 先発は早川、初めてのきたぎんボールパーク@盛岡。ソロ3本で景気よく勝利、ついでに一応最下位脱出。わおー!おやすみなさい。