almost everyday.

its a matter of taste, yeah

パトリシア・ハイスミスに恋して

  • 朝いち、チネでパトリシア・ハイスミスに恋して。少し前にみた予告編で「私が小説を書くのは生きられない人生の代わり、許されない人生の代わり」との一文に胸をえぐられ名前をぐぐってみたところ、公開当時いろいろあって見逃したままだった「キャロル」の著者じゃないですか…!ってことで、図書館で借りた原作本の前半あたりまで読み進めたタイミングで劇場へと足を運んだのでした。読む前でも読了後でもないこのタイミングでドキュメンタリーを観たらどう感じるだろう?という大いなる好奇心とともに。
  • まずはこのひと、フライヤーを見れば一目瞭然の麗しい容姿をしておられるんですけども、動く姿を見るとますます「絶対に人たらしだったろうな〜!」って気がしてくるんですよね。インタビューで意に沿わない質問を投げかけられた際にふっと口元を緩ませる抜群の間合いもウィットに富んだやりとりも、晩年の眉間に深く刻み込まれた皺さえも、特になんの根拠もないけどただ闇雲に「これは間違いなく、生まれつきモテる側にいる人の振る舞い…!」という確証を得るに至りました。周りにひとりやふたりはいるでしょ?なんでか知らんが目が吸い寄せられるというか、ただそこにいるだけで場がちょっと華やぐというか、謎の品のよさと凛々しさと堂々とした感じを併せ持ってるタイプの人。あれです。このひと、確実にそれ。
  • ということは、かつての自分が原作すら読んだことのない「キャロル」を観てみたいと思ったのも、作品を通して溢れ出てくるその人たらし力に魅入られたからでは…?と考えてみるともろもろ辻褄が合うような気がしてきました。いろんなことがすっと腑に落ちた。それと本作、ナレーションと音楽も秀逸です。やや低めの深い声色は過去の本人映像ともよく馴染んでるし、ぽろぽろ爪弾かれるギターやバンジョーの音色も穏やかで耳に優しい。製作サイドの恋心というか、敬愛の念が隅々まで行き届いていると感じました。このドキュメンタリーに携わることができてきっと嬉しかったんだろうな。
  • 終映後は市民プールでもくもくと泳ぎ、心身ともにすっきりしてから待ち合わせ。このあとライブへ行く友達と軽く飲んで改札までお見送り、のち休日出勤から帰宅した夫にごはん。友達と再合流してからは再び飲んでゆっくり夜が更けていきました。楽しいな。おやすみなさい。