almost everyday.

its a matter of taste, yeah

チャーリーズ・エンジェル / 架空OL日記

  • ファーストデー、朝いちTOHOシネマズにてチャーリーズ・エンジェル。もうね、めちゃくちゃ元気出るやつ。いろんな場面で拳を突き上げ快哉を叫びたくなる娯楽作でした。
  • MIT卒の凄腕エンジニアにして自社の悪だくみを内部告発したばっかりに命を狙われる羽目になるナオミ・スコット、困り顔で大抵いつもアワアワしてるにもかかわらずここぞの場面で肝が据わるのめっちゃ良い。冒頭からいきなりフェロモンむんむんの色仕掛けをキメて見せるクリステン・スチュワート、去り際に颯爽とウィッグを外して快活なショートヘアに早変わりした時点で既に眼福だったしその後のめくるめくお召し替えも最高でした。他の二人より文字どおり頭ひとつ飛び抜けてる長身のエラ・バリンスカは身体能力が桁違い、長い手足と身のこなしがことごとく美しい。そして、仲間のピンチで心底辛そうに声をふりしぼって泣く場面にものすごくグッと来ました…。それまでの描写が冷静沈着な完璧主義だったもんでなおさら胸に迫るものがありましたよね。
  • というわけで、主要キャスト3人はそれぞれとっても魅力的だったのだけど、終わってみれば「悪いのはいつだって男、何もかも男のせい」と言わんばかりの脚本は少々紋切り型に過ぎるのでは…?という気がしました。このご時世、少なくとも「女の敵は女」といった悪しきステレオタイプがもてはやされるターンではないはずなんですけど、さっさと死んで退場させられるのも色仕掛けでやり込められるのもアクションシーンで懲らしめられるのも全部男ってのはさすがに捻りがなさすぎやしないか、と思うわけです。03年のフルスロットルが今となってはもはや敵役デミ・ムーアの怪演しか思い出せなくなっている点を踏まえると、エンジェルの脅威となりうる強い女がどこかに存在していて欲しかった、と思わずにいられません。あの終わりかただとそのうち続編もあるでしょうから(興行成績次第かもしれませんが)その辺期待しておきたいところです。

  • その後、幕間5分で階下へ移動し架空OL日記。凄まじい振れ幅、一気に現実に引き戻される感じ。ドラマ版未見どころか原作すら読んだことがない、にもかかわらずじわじわ笑いがこみ上げてきて上映時間があっという間でした。このままずっと観続けていたかった。
  • 全体的に光量の多い、ふわりと白っぽい清潔感に満ちた映像はどこにでもある日常を映し出しているようでありながら現実味を欠くファンタジー感を醸し出していて、冷静になってよく見てみれば違和感しかないはずのそのまんますぎるバカリズムが不思議にスッと馴染んで見えました。エンドロールのスマホ撮影風動画がやけに生々しい質感に感じられたのはこのギャップのせいでしょうか。キャストは全員キャラが立ってて、特に臼田あさ美演じる小峰様が抜群によかった。
  • 突っ込みどころをひとつだけ挙げるとすれば、11月の朝6時30分があんなに明るいわけないだろ?ってところが気になって仕方ありませんでした。実家暮らしのバカリズムの家族が一切登場しないのも不穏っちゃ不穏ですけど、そういうリアルを極力省くことであの架空の世界をキープしているのだとしたら相当ギリギリのバランスを狙ってきてるんじゃないかって気もします。そこらへん、ラストでもうちょっと上手く回収してくれても良かったかもしれない。その後の話はまた後で。