almost everyday.

its a matter of taste, yeah

スパークス・ブラザーズ

  • 午後、チネでスパークス・ブラザーズ。正直言ってスパークスのことは断片的にしか、いやほとんど何も知らないに等しい状態で臨みました。いや、曲がりなりにも名盤と讃えられるアルバムくらいは聴いてきた、とは言え「いかんせんディスコグラフィーが膨大で一体どこから手をつけていいか見当もつかなかった」というのがたぶん最も正しいです。そんな謎だらけのスパークスを、稀代の音楽オタクであるところのエドガー・ライトが紐解くとなれば期待値も上がる一方というもの。完全に「おしえて!エドガー先生!」のノリで劇場へと向かいました。
  • 「題材が題材なら監督も監督だ」と思い知らされたのは開始5分と経たない頃だったでしょうか。個々のエピソードにスクラップよろしく切り貼りされる映像の多さときたら!それでなくてもインタビュイーが多く、彼らの名前や経歴を字幕で追うだけでも目が回りそうなのに、監督が腕によりをかけて選び抜いたであろう映像の情報量がものすごく多いんです。「いかなる時もわが道を行く」という点においては、スパークスエドガー・ライトの親和性めちゃくちゃ高えなオイと初っ端から強めの一発かまされた感がすごかった。このノリで2時間超えるの?正気なの?
  • ベックやフリー、ラングレンほか名だたるメンツに話を聞いてる間こそ雄弁な聴き手に徹していた筈の監督が、とうとう我慢しきれなくなったのか割と早い段階で自ら「熱狂的ファン」として登場したのが最高だったし、何ならその後もちょいちょい出てくる辺りがもうね、本当にね、「俺の愛を食らえ!」って感じでした。日本語訳が思いがけなく今日的な解釈だったのも印象的で、「沼に落ちた」とか「私の推しが」とか、ここ何年かで定着した言い回しを用いているあたりがブラザーズの「留まらなさ」とリンクしているのかな、なんてことを思ったりとか。
  • 最終盤で語られる真偽不明のホラ話からの大胆なオチ、エンドロールの最後は万雷の拍手。エドガー・ライト、やり切ったな!という満足感が凄いです。復習がてらあちこちちょっとずつ聴き返してみよう、そうしよう。
  • 先発は早川。景気よく打てた翌日がこれだとしょんぼりしちゃうな。おやすみなさい。