almost everyday.

its a matter of taste, yeah

アラバキ03

アラバキ当日の朝。眠い目をこすりながら窓の外を見た瞬間、愕然としました。何これ。夕方みたいに真っ暗ではありませんか。うす灰色の雲が空一面に張りついていて、光がちっとも見えません。しかもご丁寧に、出発したとたん小雨が降りはじめるというツキの無さ。嘘だろー。雨は、雨だけはどうか勘弁してくださいよ。涼しいのはいいけどさ。というわけで空の様子をうかがいながら会場へ向かいます。

駐車場は、中央公園ステージそばの「あやめ園」という場所にしました。・・・・・・ここがもう、すごかったです。見た感じ、ただの空き地。周囲には森と民家と小さな畑(で、「あやめ園」の本体はどこに?結局最後までわからずじまいでした。謎)。とどめは駐車場の隣がゲートボール場になっていて、ご近所の皆様が至って普通に淡々とプレイされてた、という事実。しびれます。地域密着型にも程がある。うらやましいほど素敵な町です。たまらない。

で、中央公園ステージにてチケットとリストバンドを交換。たべものエリアでカレーうどんと広島風お好み焼きの朝食を食べたのちに福島・宮城の友人たちと合流。総勢10名に。けっこうな団体っぷりです。こういうのって、やっぱり大勢だと楽しいなぁ。写真を撮りあったりあれこれ話したりしているうちに、オープングアクトのブラバン演奏が聞こえてきました。スマップとロードオブメジャー?(うろおぼえ)の曲、上手い。「えらいなー」「朝早いのにねー」等、保護者のおかーさんみたいな感想を抱いてしまいましたよ。

会場内にはラジオ公開録音ブースのようなものも設置されていて、GIPのスタッフさんや「俺流」主催のオオサカさん等が交代で場内レポートを行っていた模様。オオサカさん、Hi-5好きらしいので自分はこの日たまたま着ていたオトモビリストのTシャツを指差し「なんで呼んでくれないんですかぁ、来年はお願いしますよおぉ」などと絡んでみようか・・・・・・と思いましたが、やめときました。小心者だから。

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本日いっぱつめには、HYを観ました。一度も聴いたことがなく、どんなバンドなのかさえもよくわからないままに臨んでしまいましたが、よかったです。キーボードの女の子の、低く伸びやかな声がきもちよかった。フロントの男の子、セイン・カミュ真島昌利を足して前髪ぱっつんにしたようなルックス。終始笑顔。客扱いも実にナチュラルで、見ていてふにゃりと口元がゆるんでしまうような雰囲気が素敵でした。

続いて、城南エリアへ移りアシッドマン。ごめんなさい、またしても聴いたことないや。しかしこのひとたち、すごい人気なのですね。最初は「ちょこっと暴れたいわー」などと思って中頃あたりに陣取っていたのだけれど、気付いてみれば押され押されて前から3列目あたりに来ちゃってました。くるしい。ダイブ続出。どさくさまぎれに友人も飛んでました。いつのまに!ああ、それにしても苦しいです。おまけに足場は砂利。誰かが捨てたタワレコうちわの骨の部分が足にザクザク刺さってます。痛いよ。肝心のアシッドマンはシンプルかつストレートな3ピースロック、ベースが太くてうねうねしていて格好いいです。腹にくる感じ。しかしどうも腰にこないな。声の調子がよくなかったのか、それとももともとそういう声なのかがわかりませんが、楽器の音に埋もれて吸い込まれそうな声だったから、かもしれません。ギターの人がOrangeのアンプ(コーネリアス"ファンタズマ"の中ジャケに写ってるあれです)を使っていて、そこだけすこし嬉しかったりしました。あれ、かわいいなぁ。

またしても中央公園へ移動し、しばし昼食。「ジャンボ串牛タン」というのを食べました。さすが宮城。肉を食らいビールをたしなみ、隣のステージから聞こえてくるエレカシの「オーイエー!!」をBGMにまったりするのは何とも贅沢だと思いました。こんな経験、めったにできない。フェスって素敵。

ひと休みの後、ミュージアムエリアへ移動し畠山美由紀。とろとろ歩いてきたもんでラスト数曲しか聴けませんでしたが、すごくアダルトで濃密な雰囲気。ドラムなし、ピアノメインの演奏でしっとりとした空間が出来上がってました。赤いイブニングドレス姿、あでやか。遠目にみてもオーラ放出しまくってました。その後また城南エリアへ戻る途中で、堂島孝平さんを発見。普通に、至って普通に、首からパス下げてスタッフさんと談笑しておられました。そのナチュラル具合に、我々びっくり。「あまりにも普通すぎて知り合いと間違えた」とは友人の談。ある意味すごいな。しかし、なぜ多賀城に?(※後で調べたら、前夜祭に出演されていた模様)

城南エリアにてHARRYさんのダルくて渋いギターを聴いていたら、あまりの気持ちよさに眠気が増幅されてしまいました。砂利にレジャーシート広げて、しばしうとうと。おしりに砂利が刺さりそうで痛いけれども、それでもとろとろ白昼夢が見られるくらいの気持ちよさでした。ふはー。その後、イースタンユース。後ろでのんびり観てました。凄いです。鬼のような形相、圧倒的なテンション。ひさしぶりに動く吉野さんを見て「大倉孝二さんはイースタン好きなのかなぁ」などとぼんやり考えました。しかし、すごい音圧です。地面がぶわぶわ言ってる。砂利なのに。

O.P.KINGはきっと入場制限が出るだろうから早めに行っとこう、というわけで中央公園ステージへ。BEGINでほんわか和んだあと、いざ中央ゾーン。予想はできてましたが、やはりすごい人です。それにやっぱり、あの3人がフロントでずらりと横並びになってる状態というのは、ただそれだけでもう奇跡のような気がしてしまってしょうがないです。ほんとに、夢みたいだ。オープニングは当然のようにO.P.KINGのテーマ。いきなり盛り上がり沸点。その後CDの曲順どおりにそれぞれリードボーカルをとり、MC。「家、ちっかいなー」「2階から見てる人いるよ」「じゃあ、ご近所の皆さんにもやさしい曲ということで」通り過ぎる夏。シンイチロウさんが歌うところでは歓声が上がってました。「それじゃラスト3曲、ロックンロールで。」と言ってたてつづけにカバー連発、ああやっぱり予想はできてたけどもそれでも格好よすぎるよ。たまんないですよ。なーんも考えてなさそうな顔してしれっとあんなんやられちゃったら、そりゃもうしびれますってば。おっさん力、おそるべし。

そのまま中央ゾーンへ陣取り、くるりを待ちます。・・・が、どうも様子がおかしい。まだサウンドチェックの段階なのに、新ドラマーのマグワイアさんとおぼしきでっかいガイジンさんが既に叩きはじめてるのです。しかもこの方、上手すぎ。バカテク。素人が聴いても明らかに凄腕と思わされてしまう、圧倒的な上手さです。バスドラ踏んでるだけでもう、ただそれだけで踊れてしまう。あっけに取られて見ていたら、今度は佐藤さんまで登場。ベースとドラム、しばらく2人でジャムり続けてひと息ついたら客席から拍手が。なんなんだ、これ。そう思ってたらいつのまにか大村さんも岸田さんも出てきて、またもジャム。しばらく続けて、そのまま本編へ。1曲めは、いきなり新曲でした。「How to go」と一言だけつぶやいて、すぐに演奏。ここしばらくのエレクトロ路線とは少し違って、ギターがぎゅわぎゅわーんと唸るような感じの重たいロック。それに詞もなんか切なくて「ぼくらは果たせない約束ばかり」とか「いつか離れ離れになる」なんてことばかり(うろ覚えなので違ってたらごめんなさい)。新作、どういう感じになってるんでしょう。期待と不安が半々くらい。

2曲め、「ワンダーフォーゲル」。歯切れがよくてパキパキしてた元アレンジとはうって変わって、何だか元から普通のバンドサウンドだったかのような音になってました。しかし、ドラムだけが飛びぬけて異質。おそろしく正確。人力ブレイクビーツみたいな感じです。何だかもう、違うバンドみたいだ。その後、また新曲。やはり重たい感じのロック。「東京」も、ずいぶん違うアレンジになってました。あの、心細さとか寂しさとか叫び出したい気持ちなんかがぎっしり詰め込まれていた(であろう)曲が、どうも威風堂々に聞こえてしまうような感じ。クリープな音もすっかりなくなっちゃったし、新鮮というよりは違和感の方が大きくて、何だか心もとない気持ちになってしまいました。最後の曲も、やはり新曲。ボーカルが少なく、アウトロを長くひっぱるような感じの曲で、やはりこちらもロケンロゥでした。上半身をのけぞらせて一心不乱にギターを弾きつつたまに笑顔を見せたりもする岸田さん、見てるこちらまで酔いそうなくらい気持ちよさそうだったなぁ。とりあえず、新作聴かなきゃな。と思いました。

帰りが混み合うのを恐れて、ピーズとクレイジーケンバンドは断念しました。しかし、チケット代のもとは充分とれましたよ。雨が降らなくてよかったです。楽しかったです。来年も、ぜひ。