almost everyday.

its a matter of taste, yeah

2010年第12回・さいきん買ったCD

28.Some Friendly & Greatest Hits at the Roundhouse / The Charlatans
20th anniversary Some Friendly concerts official live recording
ことし2010年は、ザ・シャーラタンズのデビューアルバム"Some Friendly"が発売されてから20年めのアニバーサリーイヤー。というわけで、このアルバムの全曲演奏(!)を敢行した5月31日のライブ音源をオフィシャル・ブートレグとして発売したのが本作です。
いやーもう、何が嬉しいってこんなに嬉しいことはありません。17のときにたった1曲聴いただけでノックアウトされてから早15年。それ以後ずっと聴き続けている愛するバンドが当時と変わらず活動し続けているだけではなく今なおバリバリに現役である、いやむしろ若返ってる。ということが、本作を聴いてると実によくわかるからです。その長いキャリアにおいては枯れたりブレたりしている過渡期あるいは迷走期も確かにあったと記憶しているのですが、この音源と来月リリースされるアルバムのリードトラック"Love Is Ending"を聴くかぎり、いまバンドは相当いい状態なんじゃないかと。
それは何故って?何しろ演奏がいいんです。マンチェ特有の16のリズムはオリジナル盤で聴くとずいぶんサイケでルーズで気だるい雰囲気に満ちているのだけれど、ライブ盤ではそれだけじゃない、何て言ったらいいんだえーと、積み重ねてきた年輪のようなもの?それがきっちり音に溶けてるんです。具体的に言うと、足腰すんごくしっかりしてる。つまりはリズム隊がとんでもない。"Toothache"の「やべえこれマジ止まるんじゃね?」ってくらいタメにタメたくどいブレイクも、湖のほとりの荒涼とした空気そのままの乾いた空気も、"Love Is The Key"の黒光りするファンキーなリズムもぜんぶ消化した上でのマンチェスター。長い年月を重ね、成熟を続け、それでも今なお育ち続ける生命力に満ちた瑞々しい音。そら無敵ですよ。たまりません。
それからもひうひとつ。ティムさんの声。あれはもうイングランドの国有財産として認められていいんじゃないかとさえ思います個人的に。67年生まれってことは現在43歳、日本で言うと民生さんあたりと同じ世代。必要以上に老け込むことも若作りに励むこともなく、ごく当たり前のようにこの声で歌い続けることができるというのは奇跡みたいに思えてしまって仕方ないんです。好きだなあ。大好きだなあ。というわけで2週間後に発売される新譜がとても楽しみです。

29.King Of The Beach / Wavves
King of the Beach
試聴してみてあまりに痛快だったのでつい。ローファイでノイズまみれのやさぐれたシルヴァー・サン、ていう感じの序盤の流れが格好いいです。タイトルが示すとおりに夏向きな盤。聴いたあと何も残らない感じも含めて、夏のたのしさせつなさが味わえます。