almost everyday.

its a matter of taste, yeah

2010年第15回・さいきん買ったCD

34.宇宙のロック / monobright

先日のイベントで購入した1010枚限定1,010円シングル。夏のツアーで初めて聴いたときもめちゃくちゃ盛り上がった勢いのある曲なもんで、当然3枚めに入るものとばかり思っていたらばまさかの変則リリースでした。それはどうして?と思ったら、どうやらこれはずいぶん古い(とは言っても7〜8年くらい前の)札幌時代の前身バンドの曲なのだそうで。なるほどね。なんだか歌詞がとても青いよ。それも眩しいくらいの青。
以前どこかのインタビュー(たしか2枚めリリース時のbounce.comあたり)で読んだところによれば、桃野さんが生まれて初めて胸ぐら掴んで揺さぶられたアルバムはユニコーンの「ヒゲとボイン」なのだそうで。そういえば「アナタMAGIC」リリース時にもやれ「サビが『働く男』と一緒じゃね?」だなんだという声がなくもなかったと記憶しているのですが、わたしは当時そんなふうには思いませんで。何故ってそれは、曲全体の雰囲気があまりに違いすぎたからです。前者は上へ上へとどこまでも舞い上がっていくよな高揚感、対する後者は倦怠感と脱力感と仄かなエロとがせめぎあうダウナーぶりがそれぞれ特徴的だったわけで。って今はその話じゃないな、失礼しました。「宇宙のロック」はそれよりもっと、遥かにずっと民生濃度が高いよなあと思った次第です。あの棒うたいとか「〜のね」ていう歌詞とか、さらに言うなら曲全体の雰囲気がまさにそれ。だからこうしてひっそりこっそりリリースされたのかしら?とも思ったのですがさすがにそれは考えすぎでしょうか。アレンジも必要以上にじたばたしてて楽しいです。自分の中ではプレミアムなお祭りソングという位置づけになりそう。4枚めには入るのかしら?カップリングのライブ音源は「孤独の太陽」のみ3rdアルバムの初回限定DVDと被ってるんですね。聴きくらべもできちゃうよ。

35.ADVENTURE / monobright

ADVENTURE(初回生産限定盤)(DVD付)
逐一届くメールマガジンには「変化」「進化」「試行錯誤」というメンバーの言葉が並び、CD帯には「実験」「破壊」「冒険心」の煽り文句が踊る3枚め。世間的には異色作、あるいは意欲作ということになるのでしょうが、わたしはさほどの違和感をおぼえることなく1枚つるっと聴き終えてしまいました。その理由として考えられるのは以下の2点。まずひとつ、耳になじんだ既発シングル曲がおよそ半分を占めていること。もうひとつ、この音源よりも先にライブで新曲を聴いたためにその記憶が自分内スタンダードと化していること。「黒い空」や「裸の目をしたミュータント」あたりは特に、ライブよりも音源が先ならきっと相当驚かされたであろう抑制の効いたアレンジが施されているのですが、前述のとおり先にライブで生音バッキバキのアレンジを聴いてしまっているがために「あれ?なんかちょっとおとなしすぎない?」と思わされてしまうくらいでした。
ごく控えめに言って、彼らはべらぼうに演奏が上手いというわけではないと思います。にもかかわらず、きっちり綺麗にまとめられた音源のアレンジよりもライブのほうがずっとずっと楽しいんです。少なくともわたしにとっては。小手先のアレンジに腐心してあれもこれもと欲張るよりは、ライブのあの楽しさや高まりやそういうあれやこれやをぎゅっと音源につめこむような、そういうベクトルの頑張りがあってもいいんじゃないか。というようなことを思いました。リリースを重ねるごとに、音源とライブとの乖離がだんだん大きくなってきてる感が否めないのです。うーんうーん。全体的に、もっとシンプルでいいんじゃないかなあと。曲がどれもよく耳に残るんだから。生で聴いた黒い空は「お願いこのまま終わらないで、やめないで」って心の中で祈ったくらいにきもちよかったんだよ。本当に。