almost everyday.

its a matter of taste, yeah

ルージュの手紙

  • 朝、フォーラムでルージュの手紙。長年没交渉だった血の繋がらない母娘もの、テンポよく含蓄のあるやりとりがじんわり沁みる大人の映画でした。
  • 安定した職に就き、医学生の息子を女手ひとつで育て、エレベーターが壊れたままの集合住宅で堅実に暮らす娘・クレール。酒とタバコと肉とギャンブルを愛し、華やかな服に身を包み、気まぐれなその日暮らしを謳歌する母・ベアトリス。正反対のふたりはそれぞれ極端に生真面目でふわふわしていて、どちらにも感情移入しづらいように見えます。しかし、クレールとて氷の心臓の持ち主ではなく、ベアトリスもまた怠惰なだけのろくでなしとは言い切れないのが分かってくるのは、交わされる言葉の端々にその人となりが透けて見えるから。ふとした所作や遠のく視界を丁寧に追っているから。わたしにもクレールの堅実さがあり、同時にベアトリスの陽気さがある。そう思うとますますスクリーンに惹き込まれました。様々な予感や余韻を残すラストは中途半端と言えなくもないけれど、少なくとも粋ではあるなと思います。フランスだな、フランスって感じ。
  • カトリーヌ・ドヌーヴを初めてスクリーンで観たのは20年近く前、ポーラXの時でした。あれからゆっくり、しかし着実に年齢を重ねながらも、その年代に最も映える唯一無二の美しさをこれでもかと見せつけてくださる様はもはや横綱相撲さながらの風格。大輪の花が咲き誇る、ってこういうことだと思うんです。はー、眼福。
  • クレールが助産師という役どころのため冒頭から「今、生まれたて!」という状態の赤ちゃんが度々映し出されるのですが、物語が進むにつれ次第に赤ちゃんのディテールが大雑把になっていくのが逆にリアルというか「予算的な都合…?」という気がしてきて、劇中の病院閉鎖問題が間接的に真実味を帯びたような気がしました。そんな筈はない。
  • さてと。今夜は中学の友達4人で新年会です。わたしはビールとチーズフォンデュ担当。よい週末を。