almost everyday.

its a matter of taste, yeah

A HEAD FULL OF IDEAS 32ND ANNYVERSARY BEST OF TOUR


  • これを書いている今日は10月15日。つまり、あの日から既に10日以上が経過したわけで、潜伏期間も無事乗り越えたはず。よっしゃ、そろそろ自分のために忘れたくないあれこれを記録しておくべ、と思い立った次第です。
  • まずは今回、四半世紀ぶり(!)に来日公演を観に行くことにした経緯について。ことし3月末で長く勤めた仕事を辞めたわたしは今も人生が夏休み中なのですけど、この来日アナウンスが出たのはGW頃、つまり退職からちょうど1か月後くらいのタイミングでして。いろんなことが落ち着いてすっかり自由を満喫しておりましたものですから、当然のように「行くなら今しかねえ」モードに入ったのでした。
  • ちなみに当方、地方住まいにつき東京までは新幹線で2時間を要し、一般的な来日公演をアンコールまで余すことなく満喫するには宿泊必至(最終に間に合わない)というハンデを抱えておりますがゆえ長らく足が遠のいていたわけですけども、そこに来て今回の東京公演日程がよりによって月曜日ですよ。「働いてたら絶対行けないやつ〜!」とますます心が燃え上がったのも必然と言えるでしょう。1週間前にチケットを発券してみると通し番号は200番台、よかった!とりあえずスカスカってことはなさそう!と安堵しましたよね。
  • バンドのフロントマンであるティム ・バージェスさんのツイ廃ぶりは日頃のタイムラインからも充分窺い知れるところですが、この日もステージ登場時点で既にムービー撮影しており「そこから?!」と大いに驚かされるなどしました。この後のパフォーマンス中も事あるごとに撮影だかツイートだかしてたもんな、このひとマジもんのガチなんだな…!
  • これは単に海外アクトの単独公演・フェス等いずれもめったに行かないわたしがお約束的ローカルルールを把握できてない可能性大アリなので話半分に聞いてほしいんですけど、開演前の場内アナウンスであれほど執拗に「録音・撮影は〜」って言われてたのを客もアクトもガン無視してるし何ならSNSに上げまくってるのはOKなんスか…?それ以前の話として、足下のバミリも無しにみっちり客を詰め込んでるあたり興行主として感染防止策をどうお考えでいらっしゃいますか…?てかきっと現場がこんだけフリーダムならもろもろ実質建前にしか過ぎないってことよね、そうに違いない!とひとくさりモヤったのちに無理やり自分を納得させるなどしました。わたしは撮るよりこの目で観たい勢。そして人混み、めちゃ怖え。
  • そんなことより出音がめちゃ良い。どの楽器もボーカルも輪郭がくっきり立っててめちゃクリアに聴こえる。ありがとうリキッドの音響設備、ありがとうPAさんの力量。最高〜!
  • このツアーのセットリストは32周年、もとい30周年の仕切り直しアニバーサリーってことでオールタイムベストの様相を呈してるわけなんですけど、冷静に考えてみるまでもなくThen(1990)とSo Oh(2015)をまったく同列に歌いこなせるってのは一体どういうことなんですかね。正確に言うと、あの曲もこの曲もリリース当時の音源に一切引けを取らない、「あのとき聴いてたあのまんまのクオリティ」で再現されてるんです。なもんで、リリース当時の思い出あれこれ真空パックされてたやつまでもが一気にドカンとフルオープンされてしまって何というかもう、たまらない気持ちにさせられるわけです。
  • 改めて言うまでもないことではありますが、これはボーカルに限った話ではなく音もまた同じように確かな力量を感じさせてくれました。マーティン&マークは言うに及ばず、ロブの他界後に加入したトニーもジョンの代わりを務めてくれているピーター(ザ ・ヴァーヴ)もおそらくはプレイを先代のそれに寄せてくれているはずで、そこにものすごく愛と敬意を感じ取った次第です。
  • 唯一音源との隔たりを僅かに感じたのはJust When You're Thinkin' Things Overで、それはきっと鍵盤の生音がサウンド全体に占める割合が他の曲よりもずっと大きいからだと思うんですけど、それより何よりわたしがこれまで何度も何度もこの曲を聴き返してきたせいですべての音が脳に刻み込まれてて些細な差異をも聴き逃せなくなってしまってるだけかもしれません。この曲でまるでため息のように歌われる"It's a matter of taste, yeah"が好きで好きで大好きで、世の諍いのすべてはこれで片付くだろうとわりと本気で思ってるしいつか死んだら棺に入れてもらうのは黒盤1枚だけでいいし何なら出棺時もこの曲かけといてもらえたらいいです。個人的にそういう位置づけの曲なもんで、当日聴いてて情緒がだいぶ大変でした。
  • そんなこんなで四半世紀ぶりに観たパフォーマンスにすっかり満足いたしましたので、何ならここから新たに寿命が25年延びたのでは…?という気さえしております。またいつか。