almost everyday.

its a matter of taste, yeah

フランシス・ハ

  • 午後、チネでフランシス・ハ。20センチュリー・ウーマンでグレタ・ガーウィグに胸をずっきゅん撃ち抜かれて早幾年、いつか観たいと思っていた主演作がまさか2024年にスクリーンで観られるなんて…!ありがとうチネ、わが最愛の映画館。これも閉館企画上映の一環と思うと悲しみも増すばかりですが*1、最後のセレクトがこれかと思うと勝手に誇らしい気持ちになります。嬉しい。けどやっぱりつらい。
  • 年齢だけならとっくに立派な大人なのにあちこち抜けてて危なっかしくて金はないけどなんだかんだで毎日楽しい、という状況は明らかに身に覚えがあって、これがよくありがちな感じに凹んだりふてくされたり激昂したりする主人公を通して描かれたらきっと顔から火が出そうってかまともに観てらんなかったと思うんですけど、ただただひたすらうろたえるだけで曖昧な笑みを浮かべてやり過ごそうとするあたりがめちゃくちゃリアルってかわかるってか思い起こせば我々そんなに感情を爆発させたりしないもんでしたよねえってやけに腑に落ちた気がしたんでした。一番の親友とのサシでの会話においてさえ、酒なり何なりきっかけなしには切り出せないことってあるよね。恋に恋するなんてとっくの昔に履修済みのはずだけど、唯一無二の関係性を手に入れたがるロマンはどうにも手放せないのよね。下ネタ厭わず尻も出すけど手近な男と安易に寝ないし、ダンサーとしてくすぶってても太るのだけはダメ絶対と己を律するあたりがなんともチャーミング。ラストの伏線回収もお見事かつさわやかで、忘れられない作品のひとつになりそうです。

*1:この日はフェアウェル感をより増幅させる予告編ばかりで上映前から感極まりかねない演出にもほどがありました