almost everyday.

its a matter of taste, yeah

卒業 4Kデジタル修復版

  • めずらしく夫と二人、チネにて卒業 4Kデジタル修復版。彼は最近の映画にはほぼ全くと言っていいほど興味を示さない性質なのですが、たまたま深夜番組等で見かけた名作等を後日観たがる傾向があり「卒業ってあの有名なやつ?観たことない!行ってみたい」というのでお連れしてみた次第であります。よく考えたら、わたしも例のラストシーン以外キャストもストーリーもろくに知らない。なら観ておくべ、大きなスクリーンで。ということになりました。
  • 冒頭、大学を卒業した主人公が飛行機で帰郷するシーン。S&Gのメロディにのせて動く歩道にぼんやりと運ばれていくオープニングクレジットがいきなり様になっていて、彼を迎えるパーティーも前途洋々といった雰囲気です。なのにどこかがおかしいと感じるのは、優秀な成績を讃える両親も招待客も、誰も彼もが輪郭を滲ませるほどカメラに近く映し出されており、その先にいる主人公にピントが合っているからだと程なくして気がつきました。無遠慮にずけずけと立ち入った質問ばかり投げかけてくる大人たちへの苛立ちや虚無なのかしらこれは。
  • 包み隠さず打ち明けるなら、映画としての演出やカメラワークに感心させられたのはこのあたりまででした。人妻が彼を誘惑し始めてからというもの、展開や心理描写がいちいちあちこち荒唐無稽で「これってもはやギャグ、もしくはホラーでしょ…」という気持ちが拭えなかった。数え上げたらきりがないけど、そもそも一体どのタイミングでその気になったんだ主人公よ。それにこの流れで行ったら、訴えられるのは人妻のほうなのでは…。それからもひとつ、一体いかなる化学反応が起これば自分の母親と寝た男を愛せるのかっつう話ですよ。ないよ。ないわー。想像したくもないわー。
  • …などと品性のかけらもない与太話をマシンガンのごとく交わしながら帰途につきました。最後の最後、何とか追っ手をまいた二人の表情から次第に笑顔が失われていくのは何とも示唆的だったなあって。観た者同士で議論を戦わせたくなる、という意味合いにおいては間違いなく名作と言えるでしょう。
  • 先発は石橋。どうにも調子がよろしくなかった。プロ初登板の寺岡が3回投げてくれたのは良かったと思います。7回あたりで福島沖震度5の大きな揺れがありましたが、ごく短い一時中断を挟んだのみで大きな影響はなかったことをお伝えしておきます。明日は勝ちたい。おやすみなさい。