almost everyday.

its a matter of taste, yeah

タヒチにっきその2

6時30分頃起床、のんびりお風呂。このホテル備え付けのボディソープはどういうわけかファンタオレンジの匂いがします。いや、本当に。びっくりしました。腕から肩から首から手首から、つまり全身から甘い刺激臭が漂ってくるのです。おもしろいなぁ。
8時30分にはチェックアウト、ホテル発の送迎バスで成田空港へ。正面ゲートの警備のものものしさに圧倒され、第1ターミナルまで行かねばならないところをうっかり手前の第2ターミナルで下りてしまいました。スーツケースをずりずり転がし、場所がわからず途方に暮れるいい大人2名。まだ日本国内にいるというのに、早くもダメっぷり全開であります。情けなし。10分ばかり構内をうろうろしたあとようやく間違いに気付き、シャトルバスに乗って第1ターミナルへ移動。初めて足を踏み入れるはずなのにまったくそういう気がしないのがふしぎです。この既視感は、過去に何度もニュースやドラマでこの映像を見てきたせいなのかもしれません。ということはたぶん、こちらの方が古い建物なんでしょうね。先ほどの第2ターミナルに比べるとややこぢんまりとした印象を受けます。いや、それにしたって広いですけども。さすがは国際空港。
まずは搭乗手続きを済ませ、スーツケースを預け、円をUSドルに両替。これから出かけるタヒチの通貨はフレンチ・パシフィック・フラン(以下CFP)と呼ばれるもので、これはどうやら日本で直接扱うことのできないお金らしいです。「現地に到着してから円→CFPへの直接両替ももちろん可能だけど、一度USドルに換えて向こうでCFPにした方がレートいいんですよー」とは空港職員さんの弁。ちなみに、1CFPはほぼ1円に換算されるため勘がつかむのが簡単で、向こうでも買い物がしやすいのだとか。へー。いいこと教えてもらいました。ありがとう職員さん。
9時50分、別室に集まってJTB職員さんの説明を拝聴。このひとがやたら話下手で、しかも何故だかめいっぱい緊張しており、聞きづらいことこの上ありません。がまん大会か、これは。同じ部屋に集められた他の乗客も「今さらそんなこと言われなくたってわかるよ」と言いたげな顔で宅配おみやげパンフレット等ぱらぱらめくってます。時差とか気候とか飛行時間とか、そこらへんはいちいち説明していただかなくてもさすがに調べてきましたよ、わたしたちも。
20分ほどで解放された後タリーズへ、グラタンフォカッチャとシュリンプサンドで軽めの朝食。さらに、この期に及んで日よけ帽を買い忘れていた相方のためターミナルモール内のユニクロへ。くまなく探すもニット帽しか見つからず、背に腹は代えられないというわけでそこら辺の外国人向けジャパニーズ雑貨店ではいちばんマシと思われた「侍」のロゴ入りキャップをお買い上げ。どう考えてもふつうの日本人は買わないであろうデザインがひと回りしてクール、かもしれません。他には機内用のエアピロー、虫よけスプレーを購入。
 
11時頃、出国審査へ。パスポートを手渡されたあと免税店の並びを過ぎると、もうすぐそこにエアタヒチヌイの機体が見えてきました。赤と白と水色のデザインがとてもかわいいです。両親と姉に連絡してから携帯電話の電源を切り、機内へ。入口にて、褐色の肌もうるわしいスチュワーデスさんより、ティアレの花を一輪いただきました。「ティアレ」とはもともと現地の言葉で花を指す総称らしいのですが、今ではこのフリージアに似た香しい国花の呼び名として定着している模様。南国らしい甘やかな匂いに少々テンションも上がります。がしかし、ここから先は11時間の長丁場。エコノミークラスの狭い座席でひたすら耐えねばなりません。しんどいんでしょうか、やっぱり。どきどき。
11時30分に離陸。成田上空はうす曇りでしたが、雲のすきまを抜けたら一気に明るくなっていい気分です。ほどなくして飲み物ワゴンが登場したので、調子に乗っていきなりビールをもらいました。初めて飲んだヒナノビールは、のどごしがさらりと軽くてごくごく行けます。すごくおいしい。何だか妙に楽しい気分になってきた(※この時点でもう酔ってたっぽい)わたしは続けざまに3本ヒナノを飲み下し、案の定トイレが近くなったのでさすがに自己ストップをかけてはみたのですが、残念ながら既に手遅れだった模様です。トイレの鏡で確認してみたおのれのツラは、笑えるくらい真っ赤になっていました。そんなわけで教訓その2:飛行機内では調子よくかぱかぱ飲まないこと(気圧の関係で普段の3〜4倍効くらしいです)。以後気をつけたい・・・のはやまやまですが、帰る頃にはきっと忘れてると思います。俺、鳥頭。

きもちよく酔っぱらったのでこのまま眠ってしまおうかしら、と思いかけたあたりのすばらしいタイミングで機内食が出てきました。眠るタイミングを逃してしまい、どうも手持ちぶさたなのでひとまず映画チャンネルをつけてみることに。先日試写で見たばかりの「ボーン・スプレマシー」が入っていたのでまずはそちらを見てみました。あのときは細部がよくわからないまま迫力だけで圧倒されてしまったので、今回じっくり見てみてようやくわかった部分もちらほらと。字幕と吹替では雰囲気も違いますね、やっぱり。エンドロールを見終えたところでちらりと隣に目をやると、相方は「世界の中心で〜」を見てぼたぼた涙を流しておりました。あの「助けてくださーいっっ!」つうとこだけものすごく音量がでかくて、ヘッドホンしてても声がばりばり聞こえてまいりましたよ。そしてわたしはと言えば「君はやはりこれを選んだか・・・」と内心にやり。底意地わるいな、自分。
そして、眠気はやはりその後もまったく訪れてくれませんでした。仕方がないので比較的穏やかそうなジャズとタヒチ歌謡のチャンネルをひたすらぐるぐるエンドレスループ。たまにうとうとするものの、結局きちんと眠れないまま過ごす一昼夜はさすがにしんどいです。そういえば「ほたるの星」という映画をぼんやりしながら見ていて、小澤征悦さんの下の名前が「ゆきよし」であるというのを初めて知りました。ずっと読めないままでしたの、朝ドラに出てた頃から。
そんなこんなで、いよいよタヒチ上陸です。