almost everyday.

its a matter of taste, yeah

2009年第12回・さいきん買ったCD

29.SUPER PLAY / でぶコーネリアス
SUPER PLAY
ざっくり聴いたらただの騒音。それも、聴くに堪えないくらいの騒音。それでも聴き進めるうちに何やら、音の端々に得体の知れない人懐こさみたいなものを感じるようになってきました。妙にあとをひくというか。それでまた最初から繰り返し聴いてみたらば、次第に「これって、騒々しいのは実は声だけなんじゃないか?」ていう気がしてきたのです。それでまた最初から、今度はオケだけじいっと聴いてみたらばこれってやっぱりすっごいポップ。めちゃくちゃ速いがひたすらポップ。それにリズム隊、間違ってもテクニカルとは言い難いのに、それでもやたら音が気持ちいい。それって抜けがいいってこと?そしたら今度は、さらに別の疑念がわいてきてしまいました。「もしかしたら、このボーカルさんは人並み外れたシャイガイなのではなかろうか」という疑念が。「音楽聴くのも作るのも演奏するのも好きだけど、自分で歌うのとかマジ勘弁」みたいなことを考えてそうな、「ふつうに歌うの恥ずかしいから、とりあえず叫んでみたら気持ちよかった」などと今にも言い出しそうな、そういう気配をひしひしと感じるのです(勝手に)。照れ屋さん、なのにハジけりゃ結構大胆。そして異様なほどの引き際の潔さ。それってどんな青い春?たまらん。
興が乗ってきたので、具体的にどこらへんが好きかを書き連ねてみることにします。
プレイボタンを押して2秒後、「あれ?CDまちがえた?」と思わせたいがためだけにこれを1曲めに選んでそうなところが好き。せっかくオシャレで可愛いインストやっときながら、最後の最後でひと暴れしなきゃ気がすまないひねくれぶりが好き。堰をきったように1分足らずの曲でたたみかけてくる勢いが好き。その短い曲群の中でさえも、歳相応とは言い難い雑食リスナーぶりをこれでもかと見せつけてくる抜け目のなさが好き。「ゆうべの秘密と月曜日」は本作の白眉。返す刀でアイドルソングとやさぐれ歌謡曲。いやもう実際、君って本当はいくつなの?と胸ぐら掴んで揺さぶりたくなるセンスに嫉妬。ついでに、ゲストボーカルの完璧すぎる80年代アイドルぶりにも嫉妬。閑話休題、ふたたびダッシュで駆け抜けて、気付いてみたらば既に15曲。ボーナストラックのライブ音源は「セックスハンター」のカバーが格好よすぎてどうしよう。原曲誰がやってたんだろ?とぐぐってみたら、若き日の梶芽衣子のうつくしさにノックアウト。それからもひとつ、ライブ終わりの短いひとこと「ごきげんよう、また会う日まで」にしびれました。ボーナストラックはさらに続いて、トップ21ヒットソングを9分弱に押し込んだ後の「恋のヴァケイション(合いの手入りバージョン)」には笑い止まらず。これを聴いしまったら最後、ふつうバージョンじゃ物足りない気がしてしまうことうけあいです。ああ、わたしも「門限守って帰りましょー!」とか「ファイヤー!」とか叫びたい。勢いだけで書き始めたのに、まさかこんな長文になるとは。ごめんね素直じゃなくて。