almost everyday.

its a matter of taste, yeah

アイム・ウィナー!

こないだ木曜に見つけたGさんはその後バルサン焚いても姿を見せず、ちくしょう逃げられたか?とやきもきしていたのですが、つい先刻流しの中をひくひくちょこまか移動してるのをよりによって蛇口ひねった瞬間に見つけてしまい、思わず「うおおお!」と咆哮してしまいました(ここでは直接関係ないけど、わたしはどんなに驚いてもまず「黄色い悲鳴」というものをあげられない性質みたいです。絶叫マシンに乗っても「うおお」、もしくは黙って息を呑むのみ。膝カックン等タガを外される類の驚きには「うひゃあ」。意図的にはしゃいだ感じを演出したい場合においてのみ、やや改まった声をつくって「きゃー」と発音します。そもそも、無意識には出づらくないですか?カ行で始まる音って)。

そこで昔、どういうわけだかわからないけど、相方がつげ義春の漫画に出てきそうなおそろしく古い古い合宿所に住んでいた頃の話をふいに思い出したのでした。

「・・・・・・古いだけじゃなくびっくりするほど汚くて、洗面台で顔洗っててもその数十センチ先をGさんがひょこひょこ動き回ってるようなとこなんだよ。最初のうちはいちいちびくっとしてたけど、そのうちだんだん慣れてきちゃって、そこらへんに置きっぱなしの洗剤とかシャンプーとかぶっかけるんだよね、寝ぼけたまんま歯みがきしながら。そしたら意外にあっさり死ぬんだよ、Gさん。すごいよね洗剤って」

・・・・・・頭の中で微かに甦るその声が、まるで天からの啓示のように鳴り響いたのは言うまでもありません。得体の知れない何者かに身体を乗っ取られたかのように無意識のうちに除菌もできるジョイを手に取り、無我夢中でGさんにふりかけてやりました。粘度の高い透明な液体に抗うように、ほんの数秒苦しげにじたばた動くGさんが指の隙間から微かに見えましたが(怖くて直視できません)、ほどなくして完璧に息の根を止めたのがわかった瞬間、力が抜けてへたへたその場に座り込んでしまいました。Gさんを自力で殺して自力で処理したのは、これがきっと生まれて初めてのような気がします(これまではずっと相方に任せきりだったのでした。ほんとうに、だめなんです。怖いんです。保原は寒いから見かけなかったし、Gさん)。

ニュースやなんかでよく「バラバラ殺人を犯すのは気の小さいひとが多い。なぜなら、殺した相手が甦ってくるのが怖くて確実に殺そうとするあまり、復元不可になるまで遺体を損壊するからだ」といった話を聞きますが、わたしの場合はそうする代わりにごみ袋を4重にして、口も全部固くしばって「お願いだからもう二度と出てきてくれるな」と祈るようにしてそれを捨て去りました。明後日のごみ回収日まで、あの袋を自分ちに置いたままにしておかなきゃならないのが心底嫌です。ああ、早く早く遠いところへ捨ててしまいたい。そしてどうか、この先一匹たりともGさんを見なくてすみますように。おやすみなさい。