almost everyday.

its a matter of taste, yeah

Here we are now, entertain us

ことし中3の甥が、高校の体験入学に行ってきたのだそうです。その行き先がわが母校と知るにつけ、思わず頬がゆるんでしまいました。そうそう、いいよね。いい学校なんだよあそこ。それなりに勉強できるしでもガリ勉って感じじゃないし、だから校風もほどよくゆるくてそんなにガツガツしてないし、夏服はポロシャツだからいろいろ楽だし(主に洗濯が)。そうは言ってもその制服、わたしが入った次の年から採用されたものなんですけどね。つまり、わたしは着たことがないんです。しょんぼり。
というのも。もはや既に遠い昔、かつて自分が入学したのは共学化前の最終年度という信じられないタイミングだったのです。それまで完全なる女の園だった学校へ、ひとつ下からふつうに男の子が入学してくる。というのは、いま思い出してみてもなかなか強烈な体験でした。ごく動物的な意味合いにおいて「男の匂い」と「女の匂い」というものの違いを認識したのもその頃で、何故ってそれは「共学の公舎」と「女子しかいない公舎」に漂う匂いがはっきり、あからさまに違っていたからです。汗と食べ物と皮(グローブとかの?)が混ざり合って獣じみた匂いになるのが男、汗は汗でもエイトフォーやらバンやらそういう甘い匂いが一緒くたになるのが女。まさにスメルズライクティーンスピリット…。アメリカにはteen spilitという名の制汗剤があるらしい、と教えてもらったのはいつだったかしら。これもまたずいぶん古い話、のはず。
それはそうと、匂いの記憶ってやたら鮮明だったりしませんか。いつか行った場所、会ったひと、その風景や色合いや手触りはどんなに強く覚えていても時が経つにつれ淡いベールを被せるみたいにゆっくりと遠のいていくように思いますが、匂いの記憶は違います。それはどんなに時間が経っても鮮やかで、時には既に忘れていた記憶まで呼び覚ましてしまうことさえあります。あのころで思い出せるのは石油ストーブの煤けた匂い、廊下を歩くときの湿っぽくひんやりとした匂い、塩素がきつくて飲めたもんじゃなかった水道水の匂い、購買の硬いパンをかみしめたたときにじゅわっとしみ出るマーガリンの匂い、そしてライン引きの中の石灰の匂い。部活が始まる前の微かな高揚感や倦怠感、走って走ってくたびれきって天を仰いだあのときの息苦しさ、すぐ真後ろで練習してるソフトボール部の流れ弾を避けようとしてスパイク石灰まみれにしたことなんかまで、ぶわぶわ一気によみがえってきてうろたえてしまうくらいです。そういう力が匂いにはあるよなあと。
火星の庭にかえるさんがやってくる!という知らせを聞いて、仕事帰りにいそいそ予約してまいりました。仙台でかえるさん、しかも澁谷さんといっしょに。おまけに場所が火星の庭だなんてああ、たのしみすぎてくらくらします。詳細は火星の庭サイトでどうぞ。おやすみなさい。