almost everyday.

its a matter of taste, yeah

ナードマグネット だいそうさくツアー@仙台enn3rd(対バン:ASPARAGUS)

  • 2年ほど前から好きでよく聴き続けているナードマグネット、新譜のツアーで来仙決定。喜びいさんでチケットを取った後に対バン決定、まさかのアスパラガス降臨、ガッツポーズで狂喜乱舞。そんなこんなでこの日を長らく心待ちにしておりました。なんて最高の組み合わせ…!
  • 先攻アスパラガス、おそらく観るのは10年ぶり。確か09年のアラバキだった覚えがあります。後方からはあまりよく見えなかったけどテレキャス系からエレアコ、再び別のギターと都合4本を使い分ける忍さんの芸達者ぶりよ。原さんは数多のエフェクトを駆使して3ピースらしからぬ音の奥行きを再現してました。転換時に足元を覗いたら6〜7種類がみっしり並んでた。音もリズムパターンもバリエーション豊富で楽しい、身体が自然と動いてしまう。楽しかったです。
  • それにしても、忍さんのあの色気ときたらもう。心底楽しそうな顔で歌ってると思ったら手元に目線を落として苦しいような切ないような表情を浮かべてみせたり、それでいて歌声は安定のクリアトーンなわけで、こりゃもうダメだ骨抜きにされちゃいますよね!って話なのです。
  • そんなこんなでこっちはすっかり目をハートにして見とれているのに、MCに入るやいなやあのヘナヘナしつつも達者なベシャリが即現実へ引き戻してくれる辺りもたまりません。酸いも甘いも噛み分ける悪い大人のやさしげな笑顔、良い。以下、本日の忍語録。「今日はごきげんサンデーだからね。ほぼほぼ悲しみマンデーも休みだし」「ハードなナードのファンをこれからナード貴族と呼ぶ」「関西圏のナードファンは彼らを『ナドマ』と呼んでいて欲しい(マクドっぽく)」「直央がいいこと言ったんだよね。『グッズ、万が一気に入ったら持ってってよ』って。押しつけない感じで」「先輩バンドに『おう、グッズ持ってっていいよ?』って言われたら内心べつに欲しくなくても全力で『マジっすかー!超嬉しいっす!』って返さにゃならんのよ、後輩としてはね」「チェキ会とかハグ会とかないの?マグ会みたいなやつ」
  • 後攻、ナードマグネット。まずは何より、初めて目の前で見るフロントマン・須田さんの見てくれが完全に想像のままなのに驚いて息を呑みました。ナードの名に違わぬ色白メガネもやしっ子…!徒歩3分の買い出しでもそれはないだろっつう丈も太さも合ってないジーパン、せめてもうワンサイズ下を貰えよと言いたくなるガバガバのアスパラガスTシャツ、そして何故か開演前からピックガードが血で染まっているフライングV。何者なんだこの人は。
  • 何者なんだと言えば上手側のギター。見ていて一番おもしろかったのはこの人です。優勝。圧勝。おとぎ話の赤いTシャツに80年代アディダス感ある半ズボンと今にも走ってどっか行っちゃいそうな出で立ちもさることながら、弾いてる姿が常時なんだか体操っぽい。開脚したり跳んでみたりと何だか妙に落ち着きがない、それでいて曲のアウトロでギターをアンプに立てかけてみたり細かくペダル踏んでみたりと細かいこだわりを覗かせたりもする、曲によってはダブルネックの12弦ギターを弾いたりもする。あとなんか顔芸が多い。ウルトラミラクルラブストーリーの松ケンの役を菅田将暉が演じたらこういう感じになるのではなかろうか、という気がしました。あまりにも目が離せなくて、上手側で見なかったことを後悔する勢い。
  • MCでは将来への不安やなんかもとつとつ語り出すなど、悩める30代らしさが垣間見える場面もありました。が、演奏はとにかくポップでカラフルでメロディアス。おそらくは意図的に鳴りを潜めたであろうウィーザー感を補ってあまりある曲展開の引き出しの多さは、頼もしいのひと言に尽きます。新譜で初めて聴いたときに思わずフフッと笑いが漏れたニルヴァーナのアレ、生音でも完璧に再現されてて良かった。こういう風にネタ元というか出典というか、影響を受けた先人たちにアクセスするヒントを作品に散りばめてくれるバンドというのは聴いててすごく楽しいな、と思うわけです。売れてほしい。いや、売れてくれ。応援してます。また来てね仙台。待ってます。