almost everyday.

its a matter of taste, yeah

ROCK IN JAPAN FES.2003

今年も行ってまいりました。2日めのみですが。満喫してきましたよー。以下、大まかな記録をば。

あれは、昨年の梅雨の終わり頃。のんびりしすぎて「あわやチケット売り切れ?」という事態に直面、大慌てでコンビニへ走ったのですよねそういえば。あれから、もう1年。その経験を踏まえ、今年はきっちり先行予約で押さえましたよチケットを。何があっても参加できるであろう土曜日の分を3枚、もちろん駐車券も忘れずに。当然、この時点ではメンツもまだ半分くらいしか決まってなくてどの日がいいか選んでる余裕もなかったのですけれど、そんなん気にしちゃいられません。どうも年を追うごとに、フェスへ出かける目的が「お目当てのあのひとが見たい!」といったものから「フェスのあの空気を味わいたいっ!」という感じにシフトチェンジしつつあるような気がします。だってなぁ。たとえ知ってるバンドが数えるほどしか出なくても、車で1時間ちょっとのところであんなお祭り気分が味わえるならそりゃもう行くだろ、って話です。そんなわけで、今回も1日のみ参加してきました。

朝8時に出発。今回は準備万端であります。クーラーボックスには板氷と大量の500mlペットボトル、トランクにはレジャーシートが3枚とミスドで貰ったピングーのサンシェード。「会場では酒と食糧しか買わない!」という気合い充分です。1時間半ほどで会場へ到着、うーむ今年は駐車場の仕切りがいまひとつだなぁ。「前売り駐車場」と「当日駐車場」の区別が曖昧で、看板も案内スタッフも少ないような気が。ひたすら左折を繰り返すこと20分ほど、ようやっと場内へ入ることができました。それもタイミングがよかったのか、入場ゲート真ん前のナイスロケーション。待った甲斐がありましたよ、ありがとう。重たい荷物を手分けして抱え、いざ中へ。

とりあえずは、ゲートを抜けてすぐ目の前のレイクステージへ向かいます。ここへ小さくベースを張って、大きな荷物は森の中へ・・・などと思いつつレジャーシート広げようとしたらば、即座に駆け寄るスタッフさん。「あのー、レイクは敷物禁止なので・・・」ですって。あらら、テントゾーンだけじゃなく日なたもダメになっちゃったのね。確かに昨年、けっこう何度も入場規制出てたもんなぁ。さびしいけれど仕方ないのか。というわけで今日は「どうしても見たいの以外は全て森の中で聴く」とひそかに自分内決定。結局、荷物はすべてレイクそばの森の中へ置いてきました。背の高い松が生い茂る、日陰の涼しい場所。ああ、これってばまさに絶好のお昼寝スペースだわ。

まず最初は、レイクいっぱつめのハナレグミを見ることに。後方のテントゾーンへぞろぞろ移動し、マンゴービアとキーマカレーで乾杯しながら開演を待ちます。何とはなしにステージ横のスクリーンを見ていたら、どうやら冬にもフェスを開催するのだそうで。次々映し出される参加予定バンド名を皆でちろちろ眺めていたのだけど、知ってる名前よりも知らないのの方がずっと多くて少々へこみました。・・・・・・仕方ないよね、うん。そうこうするうち、前説(と言っていいのでしょうか)の兵庫さん登場。この方の文章をはじめて読んだのはもう10年以上前になりますが、こうしてちゃんとお姿拝見するのはこれが初めてです。細身の林家こぶ平、といった風貌、ちょっと意外。

で、いよいよハナレグミ登場。永積さん、出てきたそばから「おじょーちゃんたちにプレゼントだー!」と言いつつシャボン玉液をモッシュピットへ次々放り投げてます。あああ、この声だあぁ。喋ってても歌ってても根本はまったく揺るがない、力の抜けた軽やかな、でも不思議ときまじめそうな声。そういや去年もおととしも、まったく同じこのステージでこのひとの声を聴いたんだよなあ。3年連続ってのもめずらしいわ、とちょっとだけ感心。バンドこそ違うものの、ついでに言うなら自分はこの日初めてハナレグミを聴くわけですが、それにしたってやっぱり嬉しいことには変わりないのです。うふふ。鍵盤とベースライン、それに吹きものが印象的なしっとり系の音ですね。・・・と思って安心してたら、突如BPM加速。あわてて前へ駆けよりそのまま、ラスト2曲は踊りまくりでした。静かな曲ばかりなのかと思ってたのでびっくり。すごくよかった。

ここからしばし、単独行動。グラスへTHE BOOMを見に行くという友人たちと分かれ、森の中で寝転びたまにはうっすらまぶたを閉じたりしながらゆるゆるキリンジ聴いてました。日なたは身体が焼かれるくらい暑くて熱くてたまらないのだけど、ここはまるで水の底にいるみたいにひんやりしてます。すごく気持ちいい。今年も「ムラサキ☆サンセット」歌ってくれたのが嬉しかったー。何度も歌詞を間違えたあげく(しかしこのサビの歌詞は順番を覚えるだけでも大変そうな気がします)、つられてドラムももたついてるように聞こえたのが何だかとても愛らしかったです。ああ、気持ちいい。

最後の曲が終わったあたりでもぞもぞ動き出し、ふたたびレイクへ移動。スモーガスはモッシュゾーンで見る!と決めていたのです。音はまったく知らないのですが、なんかやたらに佇まいが格好よさげなバンドなので。で、いざ始まってみたらばこれがほんとにすごくてびっくり。ひとつ、サウンドチェックの時にちょこんとドラム叩いてた女の子が本番でもドカスカ叩きまくってました。あれ?これって誰?と思っていたらばオリジナルメンバーのあらきゆうこさんは既に脱退されていたのだそうで(帰宅後に確認)。彼女のプレイが見られないのは残念だけど、この人はこの人で凄いなーと感心することしきりでした。ふたつ、フロントマンのひとりが何だか飛ばしすぎ。リチャード・アシュクロフトみたいな濃ゆい顔に棒きれみたいな体つき、それにとにかく派手な動き。華があるとか存在感がすごいとかそういう形容を飛び越えて、バンドが一匹珍獣を飼ってるとでもいうような雰囲気でした。すごいなこのひと。みっつ、音は「ブラッド・シュガー〜」あたりのレッチリみたいな感じ。つまり、重くてファンクでタメが効いてるあの感じ。だからってまさか1曲目からダイブが出るとは思わなんだ。油断してたら思いっきし横っ面に蹴りを食らいました。中盤あたりではあろうことかうしろの男子が自分の肩を踏み台にしてうねうね前方へ運ばれて行ったし。・・・もう、好きにしてください。ああでも、ほんっと楽しいわこれ。いえーい。

・・・・・・と夢中で音に溺れていたらば、前述のフロントマンが曲間に「戦争絶対反対」「ブッシュ、てめーに言ってんだよオラァ」等いきなり社会派メッセンジャーと化してしまい、ちょっとばかし複雑な気分になりました。ミュージシャンが、自らの舞台で、自らの信念を表明する。それぞれがそれぞれの方法で戦争反対を訴えれば、ひいてはそれが世界平和の第一歩になる。だから皆、できることからはじめよう。・・・それがひとつの方法ならば、彼のしたことはひどくまっとうな行為でしょう。しかし、どうにも割り切れないものを感じてしまいました。何もしないで悶々としているよりは、何でもいいから行動を起こした方がいい。確かに、それも真実でしょう。だけど、だけど。だからって、こんなところで「戦争、反対いぃーっ!」「イエーっ!」って、それはないだろうよ。安全な国の清潔なステージでそんなことを言ったところで、聞き手はどう反応したらいいのでしょう。わたしには分からんよ。周囲の人がどう感じていたかは定かでないけど、そのMCを境に微妙にノリが変わったような気がしてなりませんでした。しかしライブが進むにつれて、このひとはどうも戦争うんぬんと言うより「この世を悪に導くすべてのものが許せない」という戦隊もののヒーローみたいなキャラであるらしいことがわかってきたので少し納得。なあんだ、あんまり深く考えないでガシガシ楽しめばよかったよ。

木陰へ戻ってしばし休息。のつもりが、そのままくたりと寝入ってしまいました。目覚めてすぐに、森の中程に位置する食べ物ゾーンへ。ここは地元の業者さんがいろいろ出店しているらしく、日立の地ビールや納豆定食(ちゃんと藁にくるんである)なんかが出ていて面白かったです。自分たちは鯖の味噌煮定食と串焼肉をわけあって食べました。うますぎ。たまんないです。地ビールも、ほのかに甘くてさわやかでした。

うとうと寝たり寝なかったりで、いつのまにか日も傾きかけてました。これはぜったい入場制限になるだろうから早めに行こう、というわけでレイクへ奥田民生を見に。昨年と同様、今年も弾き語りです。まさかいきなり「ルパン?世のテーマ」で来るとは予想もつかなかったけれど、またしてもユニコーンの曲をやってくれるだなんてほんとにまったく信じられませんでした。それも2曲。「家」はどれだけ時間がたってもやっぱり悲しくじんわりしみ入る名曲で思わず視界がぼやけてしまったし、まさかの「働く男」はびっくりするやら嬉しいやらでぼーっとしてしまいほとんど放心状態でした。「イージュー☆ライダー」「さすらい」等おなじみの曲も聴けたし、MCからのラフな流れで「マシマロ」歌ってくれたのも嬉しかった。アンコールまでやってくれたし!うーん、満喫。

すっかり暗くなった森の中、トリのグレイプバンを聴きながら帰り仕度。日立方面へ向かう車の中から、特大の花火が見えました。あー、なんてステキな一日かしら。また来年も来ますよ。チアーズ!