almost everyday.

its a matter of taste, yeah

LION / ライオン 〜25年目のただいま〜

  • 終業後、オンライン試写会でLION / ライオン 〜25年目のただいま〜。スラムドッグ$ミリオネアから早幾年、あの頃はまだ背だけが高くて細っこくておどおどした目が印象的なおぼこいハイティーンでしかなかったはずのデヴ・パテルが、いつのまにやら髭をたくわえ胸板も厚い大人の男へと変貌を遂げている…!うひゃー。
  • 86年、カンドワ。母と兄妹と貧くも仲良く暮らす5歳のサルーは無人の回送列車で迷子になり、1600km離れたベンガルで孤児に。紆余曲折を経てオーストラリア人夫婦に引き取られ何不自由なく成長、Google Earthとおぼろげな記憶を頼りに25年ぶりの再会を目指す…という、まるで嘘のような実話を「英国王のスピーチ」製作陣が映画化との触れ込み。5歳って。1600kmって。あまりの幼さ、そして途方もない距離にくらくらします。よくぞご無事で。まずは素直にそう思う。
  • 物語は前半がインド編、後半がオーストラリア編とほぼ半分に分かれているのですが、まずは何より幼少期のサルーを演じたサニー・パワールが素晴らしくって。わずか5歳で迷子ときたらそれはもう、大抵の子ならギャン泣きからの寝落ち一択でしょうに、不安も悲しみも寂しさも絶望も諦めも何もかもそっくりそのまま伝わってくる眼差しの訴求力ったらありません。作為的な仕草がどこにも見当たらないんです。すごいなあ。魅せるなあ。年相応の無邪気さと舌を巻くほどの利発さがごく当たり前のように同居していて、やがて青年となるサルーの聡明ぶりに確かな説得力を与えていると感じました。
  • 青年サルーを演じたデヴ・パテルは前述のとおり魅力的な大人の男へと成長しており、当然ながら恋人もいて二度三度と胸元はだける艶めかしいシーンもあり、時の流れの速さそして容赦なさに思いを馳せては遠い目になったりしました。ニコール・キッドマン演じる養母とのシーンなどは、抑制された演技に複雑な感情が見え隠れしてとてもよかったです。ただ、これはどちらかと言えば脚本や演出の問題なのかもしれないけれど、実母と養母の間で揺れる葛藤のようなものをもう少し掘り下げて描いて欲しかったな、とも思います。恋人との後日譚も。
  • 青年サルーが幻影のごとく何度も何度も焦がれるように思い返す遠い記憶の中の兄グドゥ。ティーンエイジャーの兄と幼い弟とのやりとりはやんちゃで気安くも親密で愛情に満ちていて、このままずっといつまでも見ていたいと願うほどに微笑ましく心安らぐものでした。エンドロールが終わってしまえばもう二人には会えないのね…と寂しく余韻をかみしめながら公式サイトを覗いてみたところ、なんと!デミ・ムーア主演のLove Soniaなる作品でこのタッグがまた見られるのだそうですよ。うわーうわーうわー、そんなん絶対見に行きます。今のところ日本ではまだほとんど情報ないみたいですが、どうかお願い。こちらも配給なさってください、お願いギャガ様…待ってる!
  • というわけで。今回は青山シアター×Filmarksのオンライン試写会に当選し、ひと足早くこちらの作品を鑑賞する機会に恵まれました。とっても嬉しい。ずしんと沁みるよい映画でした。
  • しかし、わたし、Filmarksに登録してまだ日が浅く投稿数も少なく、もっぱら記録用というかここのミラーログ代わりに利用してる身でして、フォローに至ってはいまだ0人なものですから「まあ当たらんだろ」とダメ元で応募したのにマジでどうして当たったんだろう。ランダム抽選?だとしたらめちゃくちゃ運がいいな。こいつは春から縁起がいいや。おやすみなさい。